2015年10月31日土曜日

「50歳からの演劇講座 〜やってみよう 1日入門編」 盛況のうちに終了

10月30日、31日と当センターが継続的に取り組んでいる自主事業「50歳からの演劇講座」の一日入門編がおこなれました。募集に当たっては団塊世代の生きがい支援を行う、公益財団法人京都SKYセンターの協力を得て、大変多くの方々にお申し込みいただき、急遽クラスを増加しての開催となりました。公益財団法人京都SKYセンターは「京都SKYシニア大学」という通年性のシニア大学を運営されていて、昨年、今年とそこでシニア演劇について講義をさせていただいたご縁で、この事業についてもご協力いただいています。
 さて、2日間にわたって行われた講座ですが、2日間で35名の方にご参加いただきました。今回の講座のテーマは、もちろん演劇を体験するということですが、演技する上で基本的な2つのテーマを、ワークを通して体験するという内容でした。テーマは「体を見る、声を見る」「関係性を表現する」ということで、「自分や相手のこと、そして演じている人を注意深く見るということ(感じること)」そして「(舞台の上での)関係性について考え、それを表現してみること」を体験しました。
 講師の細見さんのお話は、とてもわかりやすく、内容も初心者にも負担なく楽しめるもので、参加者からは「緊張した」という声と同時に「楽しかった」という声が数多く聞かれました。

2015年10月24日土曜日

わたしの昭和思い出マップ展

2015年10月24日(土)より「わたしの昭和思い出マップ展」が開催されました。

これまでもシニア世代と若い世代の交流を目的にした、思い出のお話から始まる展示会を開催してきました。

今回はテーマは「場所」です。

公の歴史ではなく、個人的な思い出をお聞きし記録することで、次の世代に生きた歴史を伝え、地域に親しみをもってもらうことを目指しました。

今回の展示会企画はまず、広げた地図をみんなで囲んで、場所にまつわる質問に答えていくことで思い出話を喋り合う茶話会から始まりました。

質問は以下の8つ。

①子供の頃、よく遊んだ場所はどこですか?
②駄菓子屋、散髪屋、お風呂屋さんなど、よく行った店があれば教えてください。
③市電や市バスの思い出はありますか?
④鴨川や疎水にまつわる思い出はありますか?
⑤大文字などの伝統事業、地域の行事やお祭りの思い出はありますか?
⑥戦争の記憶にまつわる場所はありますか?
⑦心に残る風景はありますか?
⑧自慢したい、おすすめの場所はありますか?

展示しきれないほどの沢山の魅力的なお話を聞けました。

その中から展示会参加に協力していただけることになった18名(58歳〜89歳)の方と、その思い出の場所に実際に赴き、さらに詳しい話と写真撮影をしました。


今回の聞き取りではいろんな場所を訪れたからか、いつもとは一風違ったことがたくさんあったように思います。
例えばご自宅でお話を聞いたときに、ヴァイオリンの演奏を聴かせていただきました。そして実際にヴァイオリンを始めて弾かせていただきました。おっかなびっくりでしたが、初めてでこれだけ音が出せれば大した者だ褒めていただいて。さすが元先生、教え方が上手です。ちなみに音楽ではなく体育の先生だったそうです。


昔の遊びについてもたくさんのお話が聞けました。
事前に虫取りのが得意だったお話を聞かせていただいていたのですが、撮影のときには図鑑をコピーされた資料や、虫を手書きで描いたものを見せていただきました。
また実際に昔の遊び道具を使って遊び方を教えてもらいました。写真は雨の日に室内でよく遊んでたいたビー玉を使った心理ゲーム。それぞれが決まった数のビー玉を持っていて、好きな数のビー玉を握って前に出します。この前に出た全員のビー玉の数の合計を予想して答えていき、当たった人が総取りします。負けたら取られてしまうわけで、早々多い数も出せないのではないかとか、相手の答えた数をヒントに予想したり、その人の性格を鑑みたり、まさに心理ゲームでした。ビー玉の新たな魅力を発見しました。


センター近辺にお住いの方からはご自身の嫁入りの引っ越しのときに撮影した貴重な写真を持参してくれました。市営住宅が立ち並ぶ前の風景が残されていました。そしてそこには引っ越しを手伝うご近所さんの姿も。これも今ではなかなか見られなくなった風景かもしれません。


今回の企画では当センターだけでなく、北生き生き市民活動センターにも協力いただきました。ウォーキングの企画でご一緒することが縁となり、展示参加者をご紹介いただきました。本当にありがとうございます。写真は千本北大路の交差点で。市電のお話や道が広くなった話などをお聞きしました。


ご協力いただいたといえば、楽只小学校にもご協力いただきました。校舎の中にいれていただき、教室内で写真撮影しました。この日は北いきセンさんの「楽只夏まつり」の日で、グランドではさまざまな発表や出店で盛り上がっていました。お話を語ってくれた方も消防団に入られていて、お祭りの出店をされている中、時間を作っていただきました。それゆえ撮影の服装が消防団の衣装なおですが、お話の内容は小学校のときの石炭ストーブについてでした。マッチしているのかミスマッチなのか、なんとも面白い偶然でした。


大宮商店街で今もご商売をされている方もご紹介いただきました。
豊富な品揃えを誇る手芸屋さん。販売もさることながら、手芸でつくったものを店に飾ってそれをきっかけにお客さんにつくり方を教えていきながら必要な商品を購入してもらう。お客さんとの対話に重きを置かれていました。
新鮮な鶏肉と惣菜を販売するかしわ屋さん。当たり前のことを当たり前にしていく。実はそれが一番難しいのではないでしょうか。語られた内容とともに、語られる口調から、そんなことを感じました。商売には波がありますが、いちいち動じずに働く。商道の真髄に触れたように思いました。

いつも思いますが、実は一番楽しい思いをしているのは、聞き取りをしている私たちではないかしらと。

この楽しい感じが展示会を通してみなさんに伝われば幸いです。

11月15日(日)まで開催しています。

展示しているお話と写真をまとめたマップ冊子も配布しています。

ぜひご来館ください。



















2015年10月19日月曜日

京都おさんぽコレクション タイムスリップ・ウォーキング 思い出のまちめぐり(前編)

平成27年10月3日(土)に、北いきいき活動センターとの共同でまち歩きの事業を行いました!
題して、「タイムスリップ・ウォーキング 思い出のまちめぐり」!

このまち歩きでは、個人の思い出とそれにまつわる場所をめぐりました。
いくつかの場所で、それにまつわる思い出を高齢者の方に語っていただき、昔の京都を思い起こしながらのまち歩きでした。


まち歩きのスタート地点は、左京西部いきセン!
19名の方々に参加いただきました!



あいさつや趣旨説明を終えて、いざ出発!の前に、準備運動として「ラジオ体操」を行いました!
しかも、ただのラジオ体操ではなく、戦前に行われていた「初代」のラジオ体操!(ちなみに現在のものは3代目です)
みなさん、はじめてながらも、音楽と掛け声に合わせて元気よく体を動かしました!


そして、いざ出発!!
天気も快晴で、おさんぽ日和でした!

最初に訪れたのは、養正小学校前の公園。
この公園の片隅にある一見「石碑」と見える石柱は、戦時中に国旗を掲揚するために使われていました。
普段何気なく見ているものでも歴史が詰まっているんですね。

そうした街に残る遺産も紹介しながら、まず最初に、このあたりに住んでいる三木初代さん(87歳)にお話を伺いました。三木さんはこのあたりで生まれ18歳で家族とともに満州へ渡り、日本に戻ってこられたのは46歳のときだったというお話を伺い、生まれ育ったこの鞠小路通も、昭和のはじめのころは、もっと広くて、たくさん店が並んでいたそうです。
三木さん、昔のお話、ありがとうございました!


次に向かったのは、田中神社。
ここでは、北市昭さん(78歳)と竹村壽美子さん(84歳)のお話をお聞きしました。北市さんは、子供のときからこの神社の周辺で遊んでいたそうで、今回は、昔遊んだという「竹とんぼ」をたくさん作っていただき、参加者のみなさんで飛ばして遊びました!

竹村さんには、戦時中に爆撃にあったときのことを話していただきました。実際に戦争を体験された方の話には心に訴えるものがありますね。こうした聞き取りの大切さを改めて気付かされました。

北市さん、竹村さん、ありがとうございました!


田中神社からは、下鴨神社の方へ向かいました!
その途中、高野団地の木陰で少しひと休み。
この高野団地は、昭和50年まではカネボウの紡績工場があり、今もその名残として、地面にレンガが敷き詰められた場所が残っています。
参加者の方がおっしゃっていましたが、工場があった当時は、このあたりは夜になると真っ暗で、今の雰囲気とは大きく違っていたそうです。

さてさて、高野川に架かる蓼倉(たでくら)橋からは、五山の送り火のひとつ、松ヶ崎妙法の「法」が見えますね!
高野川も昔は、友禅染めの水洗いで利用されていたそうです。


そして、到着しました、下鴨神社!
ここではなんと、詩吟と剣舞を鑑賞しました!
詩吟は今川東風さん(73歳)、剣舞は大谷八重子さん(76歳)に演じていただきました。
下鴨神社の雰囲気も相まって、まるでタイムスリップしたような素晴らしい詩吟・演舞でした!
今川さん、大谷さん、ありがとうございました!

そして、私たち一行は、この下鴨神社を出てバスに乗って大徳寺へと向かいまして、「まち歩きツアー」後編へと続きます…。



京都おさんぽコレクション タイムスリップ・ウォーキング 思い出のまちめぐり(後編)

糺ノ森(ただすのもり)バス停から市バスに乗車、全員で大徳寺前バス停まで移動し、そこからまち歩きの後半です。ここからは、新大宮商店街で生まれ育った、古川豪さん(65歳)が案内役として、街の思い出や街についての逸話を素敵な声で紹介してくださいました。古川さんは、ミュージシャンとしての顔も持つ方で、新大宮商店街の中のオープンスペース『みんなの基地』では、商店街にまつわるオリジナル曲を披露していただきました。
新大宮商店街を北に抜けて、大徳寺の東側を南に下ります。地下水が豊かでその水を使ってお豆腐が作られたお話や、この道が折れ曲がっているところには、かつて石材置き場があったお話など、地域にまつわるお話を聞きながら、船岡山を目指します。



途中では、思い出の場所として「紙屋川」での思い出を語っていただいた、岩崎昭廣さん(72歳)も参加してくださり、紙屋川で遊んだ思い出を語っていただきました。(残念ながら紙屋川は今回見ることができませんでした)船岡山では、がかつてこの山が京の都を建築するときの北の目標(基準)になった話などを伺い、ゴール地点の北いきセンに到着しました。センターでは今回のまち歩きに先立って行われた「思い出のまち」の展示会も合わせて実施し、参加者の皆さんに展示も見ていただきました。

参加者の皆さんにはその展示をまとめたマップもお配りしました。(写真)
この事業は、主に高齢者の方から「場所にまつわる思い出」を伺い、その場所で撮った写真とともに、語っていただいた思い出をまとめて、展示する事業で、今年は当センターだけでなく、北いきセンさんでも行っています。今回のまち歩きで思い出をお話いただいた皆さんは、その聞き取りに協力いただいた方々で、今回のまち歩きにもご協力いただいたのです。ちなみに左京西部いきいき市民活動センターでは、10月24日から展示(『私の昭和思い出マップ展』)を行いますので、そちらも宜しくお願いします。お話いただいたみなさん、貴重なお話ありがとうございました!